「それに特におかしいのは、ミカエル殿下の寵愛ですわ」
「そ、それは……今はもう違うけど」
アンの情けない否定の声はリリアにかき消される。
「アン嬢は、魅了の呪い魔法でミカエル殿下を惑わしているわ!!」
(あられもない結論出たーー!!)
アンは呆気に取られてしまった。確かに魅了の呪い魔法は強烈で、あるにはある。だが、どれもこれも身体を使った淫猥な呪いなのでアンにはハードルが高すぎた。
「アン嬢に、罰を!」
結局のところ、アンがミカエルに好かれているのが気に入らない火傷令嬢たちの嫉妬根性には、物凄い悪意が満ちていた。異常な熱量に、アンは一つ思い当たった。
魔王がいる校内では、悪意が表に出やすくなるのだ。澱が重なり、嫉妬という感情に悪意が大いに乗って活性化され、こんな事態になったと思えば納得もいく。でもそれをアンにぶつけないで欲しい。
「もう二度と、ミカエル様に近づかないように、断罪して、死刑を願うわ!!賛同者は拍手してちょうだい!」



