今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─



ヘレナが久しぶりに授業に出ると、驚きの光景が広がっていた。


(な、なんなのこれは……)


教室内に並んで座る、令嬢の何人もの「顔」が異常なのだ。


(あ、アン様と同じ火傷痕?!)


アンと同じように右頬に火傷のある令嬢が校内を闊歩しているのをヘレナは何人も目撃した。


顔に火傷を宿して笑うアンを見慣れているはずのヘレナなのに、顔に火傷をつけたまま微笑み合う令嬢たちの群れは奇妙で気味が悪かった。


なぜ嘆き悲しまずに、治療もせず、笑いあっているのか。


ヘレナは慌てて保健室に駆け込んでジェイドを訪ねた。校内の雰囲気が異常だった。


「ジェイド先生!なんだか皆がおかしいです!」


ジェイドは魔王おびき出せ作戦の準備に忙しく、最近の校内事情をヘレナに説明するのをうっかりしていた。