今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


現在、ヘレナのジェイド先生とのルートは攻略率6割といったところである。まだまだミカエルが入る隙などいくらでもあった。


(私、余計なことしちゃったかな……いやでも、ミカエルがヘレナに惹かれるのは当然だから……)


わかっていた。だから、ミカエルの婚約者などになってしまえばアンは悪役令嬢、つまり邪魔者まっしぐらだ。


だから、アンは婚約拒否して逃げ回って今に至っている。どうあっても断罪死刑になんてさせないためだ。アンは最上の選択をしている。その自信がある。


でも、ミカエルとヘレナが話しているのは

ちょっと、面白くなかった。


(え、私、今、ミカエルは私のなのに……とか思った?え、ヤバくないその思想……自ら断罪死刑ルート復活希望とか自殺志願者?!)

「アン、食べないのか?」

「え、ここどこ?ヘレナは?」

「ハハッ!アンはいつも面白いな」


アンが天井を仰いでいるうちに、なぜかアンはミカエルの隣で食事が始まっていた。考え過ぎて道中の記憶がなかった。