「ヘレナ?こいつか?」
「あ、アン様?!」
ミカエルが不躾にヘレナを指さし見下して目を細める。急にミカエルの視界に入れられたヘレナはガタブル震えた。アンに向かってぶんぶん首を横に振ったが、アンはにっこり笑うだけだ。
「ヘレナ、大丈夫よ。ミカエルと踊ればわかるわ。躍らせるのが上手ってのがどういうことか」
「俺はアンを躍らせるために腕を磨いたんだが?」
「わかってるけど!ヘレナのために、一曲だけ!お願い!」
ミカエルはわかりやすく、顔に「不満」とデカデカと書いていたが両掌を上に押し上げてから、ため息で収めた。
「先払いだ」



