「はしたなくなんてないです…!エッチは恋人にとって愛の再確認が出来る最高の機会なんです!最大のスキンシップなんです!まさに愛の証明です!愛がないと出来ないことなんですよ!?」

それからも数分すごく熱弁され、雨の気迫に押し黙ってしまった…。

「えー…、そういう、ものなのですか?」

「そういうものです!」

雨の熱弁のおかげが私もエッチに対する考え方が変わった気がする。

愛の…証明………。

確かに、雨の言う通りかもしれない。

記憶を無くす前の私が柚季と……そ、そういうことをしたのかは分からないけど、もししていたのなら、エッチの力で思い出せるかもしれない…。

「え、エッチって…どうやればいいんですか」

膝を抱えながら上目遣いで尋ねると雨は自信満々で言った。

「まずは誘惑すればいいんですよ!」

「誘惑……?」

「はい!」

元気よく頷いたかと思ったら、今度は何かを思いついたみたいにハッ!と手を叩いた雨。

どこか瞳にキラキラが宿っている気がする……。

それによくは聞こえないけどなんかぶつくさ言っている……。

「もし、柚季さんがちゃんと恋に目覚めれば!暴走族をやめてくれるかも…っ、」

「え?」

「はっ、なんでもないです!えー、とですね​、まずは、強引に柚季さんの唇を奪うんです!」

「くっ、唇を!?…私に、出来ますか……ね?」

それ、ってキス、ってことだよね……。

わぁああ……。

想像しただけでも緊張が……。手汗が……。