忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 その日。

 報告したい人がいた。

「先生」

 丈が振り返る。

「受かった」

「…………」

 少しだけ丈の目が大きくなった。

「おめでとう」

「うん」

「よかったね」

「ありがとう」

「亜美が頑張ったんでしょ」

「でも、先生がずっと教えてくれたから」

「仕事だからね」

「それだけ?」

「…………」

 丈が少しだけ笑う。

「それだけじゃないよ」

「じゃあ何?」

「亜美だから」

「…………」

「ずっと見てきたし」

 胸の奥が、じんわり温かくなった。

 学校でうまく馴染めなかった頃から。

 幸也を好きになって、悩んで、大人になりたいと思って。

 誰にも聞けなかったことまで。

 丈はずっと知っている。

「……そっか」

「うん」

「じゃあ」

 亜美は笑った。

「これからもよろしく」

「大学生になっても?」

「だめ?」

「いや」

 丈も笑う。

「どうぞ」

「よかった」