忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 二月。

 受験の日。

 誠星大学の正門を前にして、亜美は足を止めた。

「…………」

 初めて来た場所ではない。

 大学見学で、ここへ来た。

 あの日、この大学で幸也に出会った。

 あのときの自分は、まさかここを受験することになるなんて思っていなかった。

 亜美は小さく息を吸った。

 緊張している。

 手が冷たい。

 心臓が速い。

 それでも。

 ここまで来た。

 できることはやった。

「……行こう」

 誰に言うでもなく小さく呟き、正門をくぐった。