忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 それから。

 群司は、ときどき屋上へ来るようになった。

 毎日ではない。

 友人たちと教室で昼を食べる日もあれば、購買で何か買って、そのままどこかへ行ってしまう日もある。

 だから亜美も。

 今日は来るのかな。

 なんて考えることはなかった。

 いつものように屋上へ行き。

 いつもの場所に座り。

 イヤホンを耳につける。

 そして。

「亜美さん」

 声をかけられれば、イヤホンを外す。

「……今日来たんだ」

「何その言い方」

「だって毎日は来ないから」

「俺にも付き合いってもんがあんの」

「全校生徒の友達?」

「それ気に入ってるだろ」

「ちょっと」

「ちょっとかよ」

 そんな会話をするようになった。

 群司が来なければ、一人で過ごす。

 来れば、二人で過ごす。

 それだけ。

 それなのに。

 少しずつ。

 屋上で過ごす時間の中に、群司がいることが珍しくなくなっていった。