忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 家に帰ると。

 スマートフォンが震えた。

『亜美ちゃん、今日疲れた?』

 幸也から。

「…………」

 画面に表示された名前を見て。

 亜美の表情が少し緩んだ。

『少しだけ』

 送る。

 すぐに返事が来る。

『そっか』

 続けて。

『ちゃんと休みなよ』

 亜美は小さく笑った。

『はい』

 少しして。

 もう一つ届く。

『明日会おうね』

「…………」

 嬉しい。

 素直にそう思った。

『会いたいです』

 送信する。

『俺も』

 返ってきた二文字を見て。

 胸の中にあったものが、少しだけほどけた。

 幸也がいる。

 ずっと好きだった人が。

 今は。

 自分に会いたいと言ってくれる。

 これでいい。

 これが。

 きっと普通なんだと思った。