忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 いつも別れる場所まで来る。

 二人の足が止まった。

「先生」

「何?」

「……じゃあ」

 続きが出てこない。

 いつもなら。

『またね』

 そう言っていた。

 何も考えなくても言えた言葉。

 でも。

 もう会わないと言われた今は。

 同じ言葉を口にできなかった。

「…………」

 丈は待っている。

 亜美が何を言うのか。

 いつもみたいに。

「じゃあね」

 やっと言った。

「うん」

「…………」

 それだけだった。

 亜美は歩き出す。

 一歩。

 二歩。

 前を向く。

 振り返らない。

 幸也がいる。

 明日も会う。

 メッセージだって来る。

 大好きな人が。

 今は自分の恋人。

 だから。

 大丈夫。

「…………」

 なのに。

 歩くほど。

 丈が遠くなっていくことだけが分かった。