忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 その日の帰り。

 幸也は一人で歩いていた。

 前から学生たちが来る。

 何となく見る。

 亜美はいない。

「…………」

 また。

 探した。

 幸也は小さく息を吐く。

「ほんと何なんだろ」

 自分から振った。

 直充の妹だから。

 そこは変わらない。

 変えるつもりもなかった。

 なのに。

 亜美が離れていったら。

 こんなに気になる。

「…………」

 好き。

 そういうことなのか。

 まだ。

 そこまでは分からない。

 ただ。

 会えなくても別にいい。

 そうはもう思えなかった。

「…………」

 会いたい。

 ふいに浮かんだ。

 あまりにも自然に。

 幸也は足を止めた。

 行き交う学生の中で、一人だけ立ち止まる。

「…………」

 亜美ちゃんに。

 会いたい。

 もう一度、心の中で言う。

 今度は。

 否定できなかった。