忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 幸也は亜美の背中を見ていた。

「…………」

 何だろ。

 今の。

 前なら部室に来れば、少しでも長くいたそうにしていた。

 話せば嬉しそうに笑った。

 名前を呼ぶだけで、分かりやすく顔に出ることもあった。

 なのに今日は、ほとんど目も合わなかった。

「…………」

 避けられてる?

 そう思った。

 でも。

 理由が分からない。

「……まあ」

 気まずいんだろ。

 告白した相手と、すぐ今まで通りなんて難しいのかもしれない。

 そう考えれば、おかしくはない。

 幸也は歩き出した。

 それなのに。

 亜美が消えた方を、一度だけ振り返った。