忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 スマートフォンが震えた。

「…………!」

 反射的に取り出して画面を見る。

 軽音サークルのグループメッセージだった。

「…………」

 違った。

 画面を閉じる。

 昨日、自分は亜美を振った。

 それなのに今日。

 来ると思っていた。

 来てほしかった。

 演奏している自分を、亜美に見てほしかった。

「…………」

 ステージに立ってから何度も、亜美を探していた。

 幸也は人の行き交う文化祭の景色を見る。

 どこにも亜美はいない。

 来なかった。

 それだけなのに。

 思っていたより、寂しかった。