忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 歩いていると、少し離れたステージから聞き慣れた声が聞こえた。

『続いては――』

 幸也が顔を上げる。

「…………」

 ステージに直充がいる。

 手元の進行表を確認しながら、次の団体を紹介していた。

「まだやってんじゃん」

 先生に頼まれたと言っていた。

 他の団体が終わるまで司会をするらしい。

「大変そう」

 少し口元を緩め、そのまま通り過ぎようとした。

 けれど、足が緩む。

「…………」

 直充なら。

 亜美がどこにいるのか知ってるかもしれない。

 ステージを見る。

 直充はまだ司会を続けている。

「…………」

 まあ、わざわざ聞くことでもないか。

 幸也は歩き出した。

 数歩進んだところで、少しだけ眉を寄せる。

 何で俺。

 亜美ちゃん探してんだろ。