忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 片づけを終え、幸也はスマートフォンを取り出した。

 通知を見る。

「…………」

 亜美からは何も来ていない。

 画面を閉じてポケットに入れる。

 少しして、また取り出した。

「…………」

 昨日、亜美に告白された。

『高校生の頃から、ずっと好きでした』

 驚いた。

 自分を見る亜美の目が、他の女の子とは少し違うことには気づいていた。

 でも、そこまで長く想われていたとは知らなかった。

 それでも断った。

 直充の妹だから。

『無かったことにしたいです』

 今まで通りにしたい。

 亜美はそう言った。

 幸也も、それでいいと思った。

 だから今日も今まで通り、笑って客席にいると思っていた。

「…………」

 いなかった。

 それだけなのに、引っかかる。