忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「お疲れー!」

「終わった!」

「暑っ」

 ステージを降りた途端、メンバーたちの声が飛び交う。

 幸也はキーボードのところへ戻った。

「幸也、今日よかったじゃん」

「そう?」

「客めっちゃいたし」

「まあね」

「盛り上がってたし」

「よかったんじゃない?」

 答えながら片づける。

 演奏はうまくいった。大きなミスもなく、客席の反応もよかった。

 なのに。

『絶対見に行きます』

「…………」

 昨日の亜美の声が浮かんだ。

 嬉しそうだった。

 楽しみにしてくれていた。

 だから、来ると思っていた。