忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 群司は、

 一人で帰っていた。

 頭から離れない。

『……して』

『いつもの』

『先生が、いつもしてくれること』

 そして。

『今は、先生がいい』

「…………」

 何があったのか、

 知らない。

 亜美がなぜ泣いていたのかも。

 どうして丈を求めたのかも。

 二人がどこで知り合ったのか。

 いつからあんな関係なのか。

 何も知らない。

 ただ、

 亜美は。

 自分から丈を求めた。

 そして、

 丈は。

 最初から自分がいることを知っていた。

 あの目を思い出す。

 まっすぐ、

 自分を見た。

 気づいていると、

 分からせるように。

「……何なんだよ」

 小さく吐き出す。

 答える人はいない。

 明日は文化祭。

 亜美も来る。

 きっと、

 いつも通りの顔をして。

 群司は拳を握った。