忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 さっき。

 幸也に告白した。

 振られた。

 それなのに最後は笑って。

『また明日』

 そう言えた。

 明日はステージを見に行く。

 今まで通り、幸也のところへ行く。

 そう決めた。

「…………」

 一人になった途端、

 足が止まった。

 さっきまで、ちゃんと歩けていたのに。

 もう、

 どこへ行けばいいのかも分からない。

 家には帰りたくなかった。

 直充に顔を見られたくない。

 今は誰にも、

 何も聞かれたくない。

「…………」

 亜美はスマートフォンを取り出した。

 開いたのは、丈とのやり取り。

 何て言えばいいんだろう。

 振られた。

 苦しい。

 会ってほしい。

 浮かんだ言葉を打っては消した。

 最後に。

『先生』

 送る。

 そのまま指が動いた。

『会いたい』

「…………」

 送ってしまった。

 何を話したいのか、

 自分でも分からない。

 ただ、

 今は。

 丈に会いたかった。