忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「じゃあ、今日のこと」

 亜美が言う。

「無かったことにしてください」

「…………」

 幸也は少しだけ目を細めた。

「亜美ちゃん」

「はい」

「それ、ほんとにできる?」

「…………」

 胸の奥を見透かされた気がした。

 亜美は、すぐに答えられなかった。

 できない。

 本当は、絶対にできない。

 今日、幸也に好きだと言ったこと。

 幸也に断られたこと。

『亜美ちゃんだから』

『だからだよ』

 その言葉も、きっと忘れられない。

「……できます」

 それでも亜美は言った。

「大丈夫です」

「…………」

 幸也はしばらく亜美を見ていた。

 大丈夫じゃない。

 そんなことくらい分かる。

 でも、亜美が大丈夫だと言うなら。