忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 帰り道。

 亜美はスマートフォンを取り出した。

 予定を入れる。

 軽音ステージ。

 時間。

 場所。

 間違えないように。

 保存して。

 もう一度見る。

「…………」

 それだけで。

 口元が少し緩んだ。

 楽しみ。

 早く見たい。

 ステージの上の幸也を。

 あの音を。

 今度は。

 最初から最後まで。

『待ってる』

「…………」

 また。

 思い出した。

 胸の奥が。

 むず痒い。

 亜美はスマートフォンを胸元に寄せる。

「……絶対見に行く」

 誰にも聞こえない声で。

 もう一度。

 呟いた。