忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 練習が終わる頃には。

 外は夕方の色になっていた。

 亜美はいつもより少し急いで片付けをしていた。

 ファイルを閉じる。

 鞄へ入れる。

 忘れ物がないか確認する。

「亜美ちゃん、今日早いね」

「ちょっと寄るところがあって」

 先輩に答えながら、鞄を持つ。

「じゃあ、お先に失礼します」

「お疲れさま」

「お疲れさまです」

 扉を開ける。

 廊下へ出ると。

 自然と。

 足取りが速くなった。