忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「群司?」

 後ろから声をかけられた。

 振り返る。

 光成と鉄だった。

「……帰ったんじゃないんすか」

「鉄がスマホ忘れたんだよ」

「忘れた」

 鉄がスマートフォンを持ち上げる。

「群司はまだ帰ってなかったの?」

「……今から帰ります」

「そっか。じゃ、俺ら飯行ってくるわ」

「またね」

 二人が歩き出す。

「…………」

「あの」

 二人が振り返った。

「何?」

「……やっぱ俺も行きます」

「え?」

「飯」

 光成が笑った。

「何だよ! 来るんじゃん!」

「悪いっすか」

「全然! むしろ来いって!」

 鉄も頷く。

「三人の方が楽しいよ」

「何食べます?」

「何でもいい!」

「一番困るやつじゃないすか」

「じゃあラーメンがいい」

 鉄が言った。

「鉄、それ自分が食いたいやつだろ!」

「うん」

「即答かよ!」

「だめ?」

「いいけど!」

 二人が歩き出す。

 群司も、その隣を歩いた。

 一人で帰る気には。

 なれなかった。