忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 群司は亜美のことを知っているつもりだった。

 高校から一緒で。

 学校では何度も二人で昼を食べた。

 大学も同じ。

 学科も同じ。

 今はサークルまで同じ。

 光成に言われた。

『俺らより群司の方が亜美ちゃんのこと知ってんだろ?』

 あのときは、そうかもしれないと思った。

 でも。

 目の前の亜美を見ていると、急に何も知らない気がした。

 亜美が誰を好きなのか。

 知らない。

 あの男が誰なのか。

 知らない。

 いつから知り合いなのかも。

 どれくらい仲がいいのかも。

 知らない。

 自分が知らないところで。

 亜美が誰と会って。

 何を話して。

 どんな時間を過ごしているのか。

 知らない。

「…………」

 それが。

 嫌だった。