忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

『好きな人じゃないです!』

 ふいに。

 あの日の亜美の声が蘇った。

 サークルの自己紹介。

 光成に聞かれて、亜美は慌てて否定した。

 でも。

 あれは。

 好きな人がいると言っているようなものだった。

「…………」

 まさか。

 あいつ?

 胸が嫌な音を立てる。

 違う。

 分からない。

 亜美は何も言っていない。

 誰が好きなのかなんて、群司は知らない。

 だから。

 目の前にいる男がそうだなんて、何の根拠もない。

 それでも。

 一度浮かんだ考えが消えてくれなかった。