忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 男が何かを言う。

 亜美が少し驚いた顔をした。

 それから。

 嬉しそうに笑った。

「…………」

 何を話しているのかは聞こえない。

 ただ、亜美の表情だけが目に入る。

 あんなふうに笑うんだ。

 そう思って。

 すぐに打ち消した。

 知ってる。

 亜美が笑うところくらい。

 高校の頃から何度も見てきた。

 屋上でも。

 大学でも。

 サークルでも。

 くだらないことを言えば笑う。

 特別な顔じゃない。

 なのに。

 知らない男の隣で笑っているだけで、違うものに見えた。

「…………」

 気に入らない。

 そんな言葉が浮かんで。

 自分で驚いた。