忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 練習が終わった。

「お疲れさまでした!」

 声が重なる。

 群司は汗を拭きながら、荷物をまとめる。

「群司、帰る?」

 鉄が聞いた。

「帰ります」

「飯行こうぜ!」

 光成が言う。

「今日はいいっす」

「えー、何で?」

「普通に疲れたんで」

「若いのに!」

「光成先輩も大して変わらないでしょ」

「気持ちは若いから」

「それ一番駄目なやつ」

「ひどくない?」

 話しながら外へ出る。

 まだ明るい。

 大学には、練習を終えた学生や、これから活動へ向かう学生が行き交っていた。

「じゃあ俺らこっちな」

「お疲れさまです」

「お疲れー!」

「またね」

 光成と鉄が並んで歩いていく。

 群司も駅へ向かおうとして。

 足を止めた。

「…………」

 少し先に。

 亜美がいた。

 誰かと一緒にいる。

 男。

「…………」

 知らない男だった。