忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 帰り道。

 亜美は一人で歩いていた。

 身体は疲れている。

 明日も授業がある。

 サークルもある。

 やらなければいけないことも、まだたくさんある。

 それなのに。

 気持ちは少し軽かった。

「…………」

 先生に会えた。

 いっぱい話せた。

 久しぶりに。

 触れてもらった。

 それが。

 思っていたより嬉しかった。

 スマートフォンが震える。

 画面を見る。

 群司からだった。

『明日の集合、いつもより早いって』

「あ」

『分かった。ありがとう』

 送って、スマートフォンをしまう。

 明日から。

 また忙しい毎日が始まる。

 それでも。

 今日は。

 少しだけ特別だった。

 亜美は小さく笑って。

 家へ向かった。