忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「幸也は?」

「…………」

 名前を聞いた瞬間。

 亜美の気持ちが少し変わる。

「会ってるよ」

「そっか」

「最近は前より行けてないけど」

「忙しいもんね」

「うん」

 軽音サークルの部屋へ行って。

 幸也が一人で弾いていれば、少し離れたところで聴く。

 話せる日もある。

 会えない日もある。

 それでも。

 会えた日は、やっぱり嬉しい。

「この前も弾いてた」

「うん」

「新しい曲」

「よかった?」

「うん」

 自然と笑う。

「すごく」

 丈が亜美を見る。

「本当に好きだね」

「…………」

 また。

 頬が熱くなる。

「……うん」

 前より少しだけ。