忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「終わったあ」

 寧々が机に突っ伏した。

「お疲れさまです」

「亜美ちゃんもお疲れ」

 練習が終わっても、マネージャーはすぐには帰れない。

 忘れ物の確認。

 連絡事項の整理。

 次回の準備。

「これで今日の分は終わりかな」

 三年生のマネージャーが確認する。

「はい」

「亜美ちゃん、もう帰っていいよ」

「でも、まだこれが」

「それ明日で大丈夫」

「…………」

「またやろうとしてる」

 寧々が笑う。

「だって、できるなら……」

「駄目」

「え」

「一年生が最初から飛ばしすぎたら、あとで疲れるよ」

「……はい」

「よろしい」

 寧々が亜美の手から紙を取った。

「帰ろ」

「はい」

 時計を見る。

「……こんな時間」

 思っていたより遅かった。