忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「群司」

「何すか」

 休憩中。

 光成が群司の肩に腕を回した。

「順調?」

「何が」

「亜美ちゃん」

「…………」

「全然じゃん」

「うるさいっす」

 鉄が隣から亜美を見る。

「でも、仲良いよね」

「高校から一緒なんで」

「それ強いじゃん!」

 光成が嬉しそうに言う。

「何が強いんすか」

「だって俺らより群司の方が亜美ちゃんのこと知ってんだろ?」

「まあ……」

「じゃあいけるって」

「何が」

「付き合える」

「声でかい!」

 群司が慌てて亜美を見る。

 少し離れたところで、亜美は寧々と話している。

 聞こえていない。

「……マジでやめてください」

「照れてる」

「照れてないっす」

「群司、顔赤い」

 鉄が言った。

「赤くないです」

「赤いよ」

「鉄まで……」

 光成が笑う。

「まあまあ。俺ら応援してるから」

「勝手にしないでください」

「じゃあ応援しない?」

 鉄が聞く。

「…………」

 群司が黙る。

「ほら! してほしいんじゃん!」

「うるさいっす!」

「じゃあ決まり」

「何が」

「群司と亜美ちゃんをくっつける」

「余計なことしないでくださいよ」

「大丈夫だって」

「光成の大丈夫は大丈夫じゃない」

 鉄が言った。

「鉄!?」

「でも、応援はする」

「俺もする!」

「…………」

 群司はもう一度。

 亜美を見る。

 寧々と話しながら、亜美が笑っている。

「……余計なことだけは、しないでください」

「はいはい」

「分かった」

 二人とも。

 たぶん、分かっていない。

 群司はそう思った。