忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 帰り道。

 一人になって。

 亜美はスマートフォンを取り出した。

 メッセージが届いている。

 群司からだった。

『明日の講義、教室変わったって』

「あ」

 知らなかった。

『ありがとう』

 返して。

 スマートフォンをしまう。

「…………」

 今日も。

 先生にたくさん話した。

 大学のこと。

 サークルのこと。

 群司のこと。

 幸也のこと。

 幸也の音を聴いている時間は。

 嬉しい。

 胸が騒がしくなって。

 もっと聴きたいと思う。

 もっと会いたいと思う。

 丈といる時間は。

 違う。

 落ち着く。

 何も考えなくても。

 丈の言う通りにしていればいい。

 どちらも。

 亜美の日常にあった。

 それを不思議だとは思わなかった。