忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

 講義が終わった。

 教室のあちこちで椅子を引く音がして。

 亜美もノートを閉じる。

「亜美、帰る?」

 隣から群司が聞いた。

「…………」

 鞄にノートをしまいながら。

 亜美の手が少し止まった。

「今日は、ちょっと寄ってく」

「どっか?」

「うん」

「買い物?」

「違う」

「そっか」

 それ以上。

 群司は聞かなかった。

「じゃあ、また明日」

「うん。また明日」

 教室を出ていく群司の背中を見送る。

 亜美も鞄を持った。

 行き先は。

 もう決まっていた。