忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

「鉄」

「ん?」

 練習が再開して。

 光成と鉄は並んで座っていた。

「さっきの群司、見た?」

「見てたよ」

「亜美ちゃんに誰かいるって分かった瞬間、笑わなくなったよな?」

「うん」

「しかもずっと見てたじゃん」

「亜美ちゃん?」

「そう!」

「見てたね」

「……あいつ、亜美ちゃん好きじゃん」

「たぶんね」

「やっぱそう思う?」

「うん」

「マジかー」

 光成が群司を見る。

 踊っている。

 いつも通りの顔で。

 何もなかったみたいに。

「亜美ちゃん、気づいてると思う?」

「気づいてないんじゃない?」

「だよな!」

「うん」

「…………」

「…………」

 光成と鉄が顔を見合わせる。

「鉄」

「なに?」

「応援する?」

「うん。しようか」

「よし、決まり!」

「決まりだね」