どうなることかと思ったけれど、陛下の命を助けたことで、この城に住む人たちの信用はひとまず得られたみたい。これからはここジュデットで私の新しい生活が始まるのだ。
 
「ありがとうございます。……よし、それじゃ、これからよろしくお願いしますね!」

 踏ん切りをつけ、今までの自分とさよならをするつもりで、私は殿下に向けて大きく笑顔を浮かべる。

 どうか……この国に馴染めるのかとか、セーウェルト王国にバレちゃわないかとか、そんな数々の心配事が杞憂でありますように。