「では、我輩は他の患者の診察に回るからこれで失礼する。ミーヤ、メイア、後は任せたぞ」
「「かしこまりました」」
「行ってらっしゃい……」

 そんな言葉を残しベッカーは、首をこきこき鳴らすと踵を返し去ってゆく。
 目の下には隈もあるし、きっと忙しくて疲れているんだろう。
 仕事場に向かう彼の背中を見送った後、私は双子の侍女たちに連れられ、城内の衣装部屋へと向かうのであった。