おまけに王太子との結婚が決まっていたせいで、激務の後は日々妃教育をこなしていた。そこでも散々いびられここ数年、ぐっすり眠れた記憶が無い。
元は銀の輝きを保っていた髪は色あせ、目元の隈も最近隠しきれなくなっている。そろそろ自分がいつ倒れるのかがちょっと楽しみになってきたくらいで、王太子と交友を深めている暇なんざ、あるわきゃない。
対して、妹のリリカは聖女であるにもかかわらず、業務をさぼりまくって大聖堂にはろくに顔を出さない。姉として強く言い聞かせようとしたのだが、彼女は私の話など全く耳を貸してくれない。
しかし、最近家でもあまり姿を姿を見かけないなと思ったら、まさか王太子相手に遊び惚けていたなんて。
「お姉様ごめんなさい。リリカ、そんなつもりはなかったの。だけど、一緒にいる間に少しずつ、ギーツ様への想いが芽生えてしまって……」
妹は今も殊勝なことを言いながら王太子の背中に隠れ、愉悦の表情を浮かべている。口角を上がり切ってまるで蛇みたいだ。
本当、どうしてこうなったのやら?
両親が末っ子である彼女を猫可愛がりしたせいなのか、はたまた、生来の気質だろうか。
元は銀の輝きを保っていた髪は色あせ、目元の隈も最近隠しきれなくなっている。そろそろ自分がいつ倒れるのかがちょっと楽しみになってきたくらいで、王太子と交友を深めている暇なんざ、あるわきゃない。
対して、妹のリリカは聖女であるにもかかわらず、業務をさぼりまくって大聖堂にはろくに顔を出さない。姉として強く言い聞かせようとしたのだが、彼女は私の話など全く耳を貸してくれない。
しかし、最近家でもあまり姿を姿を見かけないなと思ったら、まさか王太子相手に遊び惚けていたなんて。
「お姉様ごめんなさい。リリカ、そんなつもりはなかったの。だけど、一緒にいる間に少しずつ、ギーツ様への想いが芽生えてしまって……」
妹は今も殊勝なことを言いながら王太子の背中に隠れ、愉悦の表情を浮かべている。口角を上がり切ってまるで蛇みたいだ。
本当、どうしてこうなったのやら?
両親が末っ子である彼女を猫可愛がりしたせいなのか、はたまた、生来の気質だろうか。



