【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく

「ぬぐっ……! この、$$$$$めっ!」
「あぁん? あたしに喧嘩売るとはいい度胸じゃないか、この、&&&&&がっ!」

 元気よく魔族スラングで口論を始めたベッカーとプリシラ院長は放っておき、私たちは、ジュデット国立治療所の屋上にて、私たちの背より高く伸びた陽炎草の収穫に励んでいた。

 収穫する前に聖女の力を与えてから、皆に葉を摘んでもらう。薄い橙色の、少し透けた葉っぱが、籠の中に山盛りになってゆく。

 メイアがその中の一枚を日に翳し言った。

「これが薬の材料になりますの~?」
「うん。ジュデット原産の植物と組み合わせれば、色んな新しい薬が作れるかもね」
「はぷっ」
「馬鹿! メイアっ、変なものを口に入れない! お腹壊しますでしょう!?」
「あはは、食べられるけど、そのまま食べても何もならないよ」
「にっが~いですわ~……」