魔族の存在が、この国の人たちに完全に受け入れられるようになるのは、きっとまだずっと先のことだろう。でも間違いなく私たちは、その一歩をちゃんと踏み出すことが出来たのだ。

 この日は、決して忘れることの出来ない特別な一日となって私の心に刻まれ、同時に。

「エルシア。私の夢を叶えてくれて、ありがとう!」

 殿下にとっても、最高の一日になったようだった。