【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく

「セーウェルト王よ、フィーゴ殿や方々は儂の説得を聞き入れてくれたのだ。そこにあるエルシアはセーウェルト人であると同時に、我が命を救ってくれた類い稀なる医師でもある。それに、先だってジュデットは彼女に我が国の国籍を与えている。もう彼女は、そなたの国だけのものではない」
「わかるかの? ここにいる国々のお偉方は皆セーウェルトが聖女と陽炎草を独占していることを苦々しく思っていたのじゃよ。しかも病に伏す一国の元首を癒す薬と引き換えに、お主らはジュデットの領土をたんまりとせしめようとしたようじゃな。この先我々が同じような目に遭ったとして、一体今度はどれほどふっかけてくるつもりなんじゃろうな?」
「うるさいわ! 聖女も陽炎草も我が国の重要な資源であり所有物である! それを我々がどう扱おうが貴様らにどうこう言われる筋合いはない!」

 皮肉げに目を細めるソムエル王フィーゴに対し、セーウェルト王は顔を赤黒くして反論する。が……反対にソムネル王は、その威圧を受け流すように泰然と、彼らの要求を突き付けていく。

「そういうわけにはいかんな。ベルケンド殿と我々の間では既に話し合いが為されておる。我々の希望を一つずつ言おう。まず、以後聖女の身柄はセーウェルト王国法ではなく国際法で管理し、彼女たちの他国への帰化や自国民以外との交流を認め、不当な扱いから解放すること。次に、陽炎草についても、セーウェルト王国での独占を止め、適切な市場価格で他国への輸出を認めること。この二点を我らはそなたらに求める。これをライソン殿が受け入れぬ場合、北の国境付近に集結させた連合国軍によって、直ちにセーウェルト王国へと侵攻を行う手筈じゃ」