騎竜――この国には存在しない生物の背中から一人の男性が音もなく着地し、黒髪を靡かせながらこちらへ歩いてくる。
その姿を認識した私は信じられなくて……何度も目を瞬き、視界を滲ませた。
なぜならその人は、ここにいるはずの無い人。
そして私が今、最も会いたいと願った人だったから。
「エルシア。遅くなったけど、迎えに来たよ」
(あんなに遠いところから、助けに来てくれた……!)
目頭が熱くなった私は、うんうん頷くことしかできない。
「貴様っ! 邪魔を……」
「悪いが少し眠っていてくれ」
処刑人たちが斧を振るうが、実力の差は歴然。
彼は攻撃を躱すと鳩尾を殴って気絶させ、私の傍にしゃがみ込む。
身体を押さえつけていた木枠とさるぐつわも外され、私は殿下に抱き着いて胸に顔を擦りつけた。
その姿を認識した私は信じられなくて……何度も目を瞬き、視界を滲ませた。
なぜならその人は、ここにいるはずの無い人。
そして私が今、最も会いたいと願った人だったから。
「エルシア。遅くなったけど、迎えに来たよ」
(あんなに遠いところから、助けに来てくれた……!)
目頭が熱くなった私は、うんうん頷くことしかできない。
「貴様っ! 邪魔を……」
「悪いが少し眠っていてくれ」
処刑人たちが斧を振るうが、実力の差は歴然。
彼は攻撃を躱すと鳩尾を殴って気絶させ、私の傍にしゃがみ込む。
身体を押さえつけていた木枠とさるぐつわも外され、私は殿下に抱き着いて胸に顔を擦りつけた。