王都に戻ってあっという間に一月の時が経った。
 私は今日も多くの聖女たちに混じって、早朝から深夜までを休むことなく働いて過ごす。

 手のひらに灯していた光が消え、私は患者の容態を確認する。
 痛みが消えたのか……額に汗し、腹部を押さえていた女性は安らかに息を吐き出して私にお礼を言った。

「ありがとうございます聖女様。大分楽になりました」
「いえ、お役に立ててよかったです。別室にて経過を見ますので、本日は泊っていってください」

 担架で運ばれてゆく女性を見送ると私はふぅと息を吐き出し、その場へと座り込んでしまう。

「つ、疲れたぁ……」
「エルシア様、大丈夫ですかっ!?」

 銀のお盆をテーブルに置き、私を心配してプリュムが駆け寄ってくる。しかし彼女も足取りが大分怪しい。疲労の限界にあるのは明らかだ。