それをこの場所でまた聞ける日が、なるべく早く来ますようにと、目を閉じ私は祈る。そうしていると、ふと柔らかい感触が額をくすぐった。
(何か当たった……?)
それを訝しがり、額を指でなぞる私。殿下は口元を抑えておかしそうに笑っている。
「さあ、それじゃ最後に二人で城をゆっくり回ろう」
「……はい」
少しだけ疑問に思いつつ、私は彼の突き出した腕につかまるのが恋人だと主張するようで急に恥ずかしくなった。
でも、これで最後になるんだから勇気を出そうと、手を掛けたタイミングで――。
カンカンと、甲高い足音が下から響いた。
(何か当たった……?)
それを訝しがり、額を指でなぞる私。殿下は口元を抑えておかしそうに笑っている。
「さあ、それじゃ最後に二人で城をゆっくり回ろう」
「……はい」
少しだけ疑問に思いつつ、私は彼の突き出した腕につかまるのが恋人だと主張するようで急に恥ずかしくなった。
でも、これで最後になるんだから勇気を出そうと、手を掛けたタイミングで――。
カンカンと、甲高い足音が下から響いた。



