「では下がれ。次は良い報告を期待しておる」
そう言うと、ライソン陛下は私には一瞥もくれず謁見の間から立ち去った。
(エルシアを、何としてでも連れ戻さなければ……)
それが出来なければ、私は王位継承権を奪われ、良くても隠居、悪くすればエルシアの一族と共に何らかの処刑に遭う可能性すらある。リリカも命は無いだろう。
(はあ、くそっ……権力者というのは、業が深いな)
謁見の間を出た私は顎を伝う汗にやっと気付いて拭う。謁見の前に着替えたはずなのに、衣服はまるで誰かと一戦交えた後の様に濡れそぼってしまっていた。
そう言うと、ライソン陛下は私には一瞥もくれず謁見の間から立ち去った。
(エルシアを、何としてでも連れ戻さなければ……)
それが出来なければ、私は王位継承権を奪われ、良くても隠居、悪くすればエルシアの一族と共に何らかの処刑に遭う可能性すらある。リリカも命は無いだろう。
(はあ、くそっ……権力者というのは、業が深いな)
謁見の間を出た私は顎を伝う汗にやっと気付いて拭う。謁見の前に着替えたはずなのに、衣服はまるで誰かと一戦交えた後の様に濡れそぼってしまっていた。



