私は立ち上がり殿下を手招きすると、その手を取り、泣きじゃくっていたミーミル様の手と重ね合わせた。最初ミーミル様は嫌がっていたが、しばらくそのままでいると、諦めたように力を抜く。

「これで、仲直り。長い時間が離れていても、きっと話をすればその内時間は埋まっていきますから。さあ、美味しいご飯を頂きましょう。久しぶりにこうしてみんなで揃うことが出来たんですから」

 私は殿下に頷きかけると、ミーミル様の背中を押し、席に座る。
 これで、欠けていた席は埋まった。

 まだしばらくはぎこちない日が続くだろうけど、しばらくすれば、きっと彼らは元通りの関係に戻れる。すべての心残りが消えたわけではないけれど、これで、一つ大きな役目を果たすことが出来たと思う。

 私は満足した気持ちで、食卓に座る彼らの顔を眺めていた。