「私だって気付いていましたとも。ええ、我が子のことです……気付かないはずはありません。あんなに可愛がっていたミーミルをある日を境に極端に遠ざけて……」
そのことについては、朝食の席でミーミル様からよく聞いていた。
子供なりに、穏便なやり方などがわからず、必死だったのだろう。
まとわりついて来たミーミル様を突き飛ばしたり、面と向かって彼女を嫌いだと言ったこともあるらしく、それを話すたびにミーミル様は殿下のことを大嫌いだと言っていた。まるで過去の自分を打ち消そうとするかのように。
「そんなこと、今更聞きたくないっ! だって、理由があったら何をしてもいいの? 私、とっても苦しかったもの! 兄様が嫌いって言うから、どうしてそんな風に言われたのか一杯悩んで……一杯泣いて、諦めるまでとっても長い時間がかかったのに! どうして今更そんなことを言うの? そんなの勝手だよ!」
「済まない……!」
「聞きたくないっ! そんなに簡単には、許せないよ……!」
「ミーミル様っ!」
椅子から飛び降りて走り去ろうとしたミーミル様を、私は抱き締めるようにして引き留めた。
そのことについては、朝食の席でミーミル様からよく聞いていた。
子供なりに、穏便なやり方などがわからず、必死だったのだろう。
まとわりついて来たミーミル様を突き飛ばしたり、面と向かって彼女を嫌いだと言ったこともあるらしく、それを話すたびにミーミル様は殿下のことを大嫌いだと言っていた。まるで過去の自分を打ち消そうとするかのように。
「そんなこと、今更聞きたくないっ! だって、理由があったら何をしてもいいの? 私、とっても苦しかったもの! 兄様が嫌いって言うから、どうしてそんな風に言われたのか一杯悩んで……一杯泣いて、諦めるまでとっても長い時間がかかったのに! どうして今更そんなことを言うの? そんなの勝手だよ!」
「済まない……!」
「聞きたくないっ! そんなに簡単には、許せないよ……!」
「ミーミル様っ!」
椅子から飛び降りて走り去ろうとしたミーミル様を、私は抱き締めるようにして引き留めた。



