「……エルシアを返すべきか迷っている」
証拠は無いが、エルシアがジュデットに居ることはおそらくセーウェルト側も掴んでいる……そう殿下は刺客を捕らえた後に話していた。その事を声高にセーウェルトが主張し、ジュデットが彼女を隠し通そうとすれば、両国の関係は徹底的に拗れることになる。
そしてもし戦争が始まれば、エルシアはセーウェルトに戻る機会を失う。
場合によっては二度と家族や知り合いの顔を見ることが出来なくなるかもしれない。
「本人がどうしたいのかは聞いたのですかな?」
「聞いていない。あれから……一言も話していない」
殿下は頬杖をついて目線を下に向け、物憂げに溜息を吐いた。
その美しい顔を見れば、女であれば誰もが慰めたいと思うだろうに……殿下にそんな顔をさせるのがどうしてよりによってあやつなのかと、我輩は思わず苦笑してしまう。
証拠は無いが、エルシアがジュデットに居ることはおそらくセーウェルト側も掴んでいる……そう殿下は刺客を捕らえた後に話していた。その事を声高にセーウェルトが主張し、ジュデットが彼女を隠し通そうとすれば、両国の関係は徹底的に拗れることになる。
そしてもし戦争が始まれば、エルシアはセーウェルトに戻る機会を失う。
場合によっては二度と家族や知り合いの顔を見ることが出来なくなるかもしれない。
「本人がどうしたいのかは聞いたのですかな?」
「聞いていない。あれから……一言も話していない」
殿下は頬杖をついて目線を下に向け、物憂げに溜息を吐いた。
その美しい顔を見れば、女であれば誰もが慰めたいと思うだろうに……殿下にそんな顔をさせるのがどうしてよりによってあやつなのかと、我輩は思わず苦笑してしまう。



