思わず心臓が止まりそうになり、つっかえにしていた腕を滑らせて後頭部を地面にしたたかにぶつける。
「あぅぅ……!」
「驚かせて済まないが、動く準備を。嫌な気配がするんだ」
頭を抑えて呻く間抜けな私に取り合わず、殿下は真剣な顔で周りに目を走らせた。何のことか私にはちっともわからないが……とりあえず荷物を手早くまとめ、動ける準備だけはする。
「よし、走れるね?」
「ええ……」
一体何が起こってるの!?
荷物を手に持ち、私が殿下の手を握ってその場を立ち上がらろうとした時。
――ヒュ!
空気を切り裂く高い音がして、殿下が私の手を思い切り引いた。
「あぅぅ……!」
「驚かせて済まないが、動く準備を。嫌な気配がするんだ」
頭を抑えて呻く間抜けな私に取り合わず、殿下は真剣な顔で周りに目を走らせた。何のことか私にはちっともわからないが……とりあえず荷物を手早くまとめ、動ける準備だけはする。
「よし、走れるね?」
「ええ……」
一体何が起こってるの!?
荷物を手に持ち、私が殿下の手を握ってその場を立ち上がらろうとした時。
――ヒュ!
空気を切り裂く高い音がして、殿下が私の手を思い切り引いた。



