何故だか、ここで「はい」と言えない、自分の中で整理できていない問題があるように感じてしまって。私は彼女に頭を深く下げる。

「ああ、難しい問題なのはわかってる。気が変わったら言っとくれ、待ってるからさ」

 院長は気楽に笑うと、私の肩を叩いて何事もないように立ちあがる。

 この胸が詰まったような感覚は何なのだろう。ミーヤたちと合流し、院長に見送られながら診療所を出た後も、私はずっとそのことが頭の中から離れなかった。