「ほうほう、私もセーウェルト人なんぞ見るのは何年振りかね……。ともかくよくこの国に来なさった」
「はあ……どうも」
握手を求められたので、私はそれに応じた。ローエンさんから詳しい話は聞いていないのだけれど、もしかしてここに呼んだのは単なる顔合わせのためだけだったのだろうか。プリシラさんは皮肉げに口元を吊り上げる。
「驚いたよ。あたしもジュデットで陽炎草が拝めるとは思っていなかったからね。いい冥途の土産になるってもんだ」
「あ、あの! どうかくれぐれもあのことはご内密に」
「わかってるさ。誰かに言いふらしたりするつもりはないよ。国際問題にでもなっちまいかねないからねぇ」
「お願いします……。せっかく頑張って育てたので」
私はほっと胸を撫で下ろす。もし誰かの耳に触れれば処分せざるを得なくなる。せっかく最近腰位の高さまで茎が育って来て、私もローエンさんも収穫の日を楽しみにしているのだ。
苦笑する私に落ち着いた視線を向けながら、だがプリシラさんは妙なことを言い始める。
「あんた、あの葉っぱが一枚いくらで取引されてるか知ってるかい」
「はあ……どうも」
握手を求められたので、私はそれに応じた。ローエンさんから詳しい話は聞いていないのだけれど、もしかしてここに呼んだのは単なる顔合わせのためだけだったのだろうか。プリシラさんは皮肉げに口元を吊り上げる。
「驚いたよ。あたしもジュデットで陽炎草が拝めるとは思っていなかったからね。いい冥途の土産になるってもんだ」
「あ、あの! どうかくれぐれもあのことはご内密に」
「わかってるさ。誰かに言いふらしたりするつもりはないよ。国際問題にでもなっちまいかねないからねぇ」
「お願いします……。せっかく頑張って育てたので」
私はほっと胸を撫で下ろす。もし誰かの耳に触れれば処分せざるを得なくなる。せっかく最近腰位の高さまで茎が育って来て、私もローエンさんも収穫の日を楽しみにしているのだ。
苦笑する私に落ち着いた視線を向けながら、だがプリシラさんは妙なことを言い始める。
「あんた、あの葉っぱが一枚いくらで取引されてるか知ってるかい」



