や・く・た・た・ず、だなんて。耳の傍でプリュムは唇をそう動かすと、呆然としていたわたしの首根っこを掴んで引き摺り、一角に集められていた小児患者たちの前にどんと押し出す。

「使えないあなたはそこで子供たちに頑張ったご褒美の飴玉でも配っててください。はっきりいって邪魔なので。ちなみに逃げ出すなんて許しませんよ。ここを離れるようであれば大教皇様にもあなたを役職から解いていいという言質をいただいておりますので。王太子とご結婚されたいのであれば、せいぜいこれ以上心象を悪くしないよう気を付けることです。ね、大聖女様?」

 冷たい目をして微笑むと、プリュムはわたしに金色のたすきをかけた。
 これは大聖堂での職分を示すものだ。
 一般の聖女は青、上級聖女は銀、大聖女は金色と決まっている。

 とにかく目立つそれを肩にかけ、こんなところで飴玉をただ配っているなんて……晒されているに等しい。

 そしてそんなわたしに子供たちすら容赦はしない。

「ねえねえ。どうしてお姉ちゃん、一番えらい人なのに飴玉配ってるの? ちりょうは? ちりょうして?」